LangPressの使い方

はじめに

LangPress

LangPressはWordpressの言語ファイルの翻訳アプリケーションです。

ただし、機械翻訳なので必ずしも正確ではありません。
翻訳エディタソフトである"Poedit"などを使って、翻訳の内容を確認される事を強くお勧めいたします(というか、大半の方は"Poedit"が必要になります)。

また、翻訳テンプレートの.pot ファイルから.poファイルの作成、コンパイルされた.moファイルの作成などで"Poedit"のようなソフトが必要になります。
「翻訳ソフトの補助機能」くらいで、ご利用いただけると最適です。

POTファイル(***.pot)

翻訳可能な文字列をリスト化したファイルです。
WordPressのテーマやプラグインをインストールすると、英語などで書かれたPOTファイルが(ほとんど場合)同梱されています。

POファイル(***.po)

翻訳ファイル本体です。
英語などで書かれたPOTファイルを元に、日本語などの言語に翻訳したバイナリファイルです。この翻訳ファイルを"Poedit"などで作成しますが、まれに日本語用POファイルが用意されているプラグインもございます(翻訳はされておらず、ファイルのみ用意されている)。

MOファイル(***.po)

WordPressが使用する言語ファイル。
翻訳されたPOファイルをコンピュータが効率よく読み込める形式に変換したファイルです。"Poedit"で作成したPOファイルから、MOファイルを作成できます。

使い方は2パターン

LangPressは2通りの使い方があります。

  1. ファイルから必要な箇所をコピペして翻訳
  2. ファイルを読み込んで翻訳
翻訳パターン選択ボタン

コピペモードで翻訳

翻訳は必ずしも全て必要なわけではありません。
プラグインの言語設定やタイムゾーンなどは、そのままでも問題ないでしょう
しかも、これらは膨大な量があります(言語設定だと200以上)。
言語ファイルに「country」「state」「timezone」「lang」「payment」などの単語が含まれている名前のPHPから読み込まれている場合、これに当たると思われます。
なので、これらの行以外をコピペして翻訳します。

また、翻訳には、かなりの時間を要します。
ファイルが大きい場合も、こちらのコピペモードで不要な翻訳は選別するようにしましょう。

コピペモードの設定が向いているファイル

  • 主に、機能豊富なプラグイン
  • 言語や貨幣、時間の設定がある
  • ファイルが5000行を超えている

読み込みモードで翻訳

ローカル内に保存した言語ファイルを読み込んで全て翻訳する方法です。
機能が比較的少ない軽量なプラグインやテーマの翻訳に適しています。

問答無用で全て翻訳する場合は、こちらをご利用ください。

読み込みモードの設定が向いているファイル

  • 軽量なプラグインやテーマ
  • 作業時間に余裕がある
  • ファイルが5000行以下

スキップ機能

翻訳させたくない文章、または含まれる文言を設定できます。

「この単語と一致したらスキップ」に全文がマッチすると、その行はスキップされます。
「Next」「Prev」「Years」「Months」など、翻訳されない方が、むしろ分かりやすい時に使用します。

「この単語が含まれるとスキップ」では、指定の単語が含まれると、その行はスキップされます。
「Clear **」「Select **」など、「この単語があるものは翻訳しなくていい」という場合に使用します。
ただ、思いがけない所に含まれていたりするので、翻訳完了後はよく確認してください。

スキップさせる単語・文章は、「,」(カンマ)で区切って複数設定できます。

スキップ機能

ワークフロー

今回は例として、シンプルで人気のカスタマイズテーマ"Attitude"で「読み込んで翻訳」を、Wordpressのメンバーサイトプラグインの"RegistrationMagic"で「コピペ翻訳」を、実際のワークフローとして見てみましょう。

環境としては、Wordpressは5.6、テーマの"Attitude"は4.0.3、プラグインの"RegistrationMagic"は4.6.2.5をインストールした環境を例としています。
参考例で使用するソフトは"Poedit"の他に、FTPは"WinSCP"、コピペ用に"TeraPad"を使用しています。

    • コピペモード
    • 読み込みモード
  1. 翻訳作業前の準備

    POTファイルをダウンロード

    まずは下準備です。
    翻訳エディタソフトの"Poedit"をインストールしておいてください。

    次にFTPでPOTファイルをローカルの作業フォルダにダウンロードします。
    Wordpressを運用なさっているならFTPはご利用かと思いますが、最近はレンタルサーバで自動インストールして運用される場合もございますので、お持ちでない方は"WinSCP"などのFTPソフトもインストールしておいてください。

    POTファイルは、プラグインなら「WPインストールフォルダ/plugins/プラグイン名/languages/」、テーマなら「WPインストールフォルダ/themes/テーマ名/languages/」にあります。

  2. POファイルの作成

    Poeditで読み込み

    まずは"Poedit"を開いて「新規作成」をクリックし、選択ウインドウでダウンロードしたPOTファイルを選択してください。

    Poeditを起動

    その後、右図のように翻訳のウインドウが出ていれば成功です。

    そのまま何もしないで「保存」ボタンでファイルを保存してください。
    先ほどPOTファイルを保存したフォルダに「ja.po」「ja.mo」という二つのファイルが出来ていると思います。
    そのうちの「ja.po」を使って、LangPressにて翻訳を作成いたします。

    1. コピペモードで翻訳

      POファイルの必要な行をコピーしますが、いくつか注意点があります。
      POファイルにある、「msgid」で始まってる行が翻訳元
      「msgstr」で始まってる行が、翻訳された文言が入ります。
      すなわち、この「msgid」と「msgstr」はセットでなければいけません。
      この点に注意しながら、500行くらいずつコピーしていってください。

      コピペモード例では”TeraPad”でファイルを開き、とりあえず23~69行目を試してみます。

      コピペモード
    2. 左側の入力ウインドウにペーストします。
      入力欄にデータが入りますと「翻訳を開始」ボタンが現れます。

      入力欄にペースト
    3. スキップ設定

      必要に応じて設定します。
      読み込みモードを参照ください。

    1. 読み込みモードで翻訳

      「読み込み」をクリックすると読み込みモードになります。
      左側の入力ウインドウが青い背景になりましたら、読み込みモードです。

      読み込みモード
    2. ファイルの読み込み

      「ファイルを選択」ボタンをクリックして、"Poedit"で作成された「ja.po」のファイルを選んでください。
      ボタンの右側にファイル名と容量が、入力ウインドウにPOファイルの内容が表示されます。
      なお、読み込みモードの時は、翻訳元のデータの修正はできません。

      ファイル読み込み後
      今回の読み込みモード例で使用したテーマ"Attitude"は17788バイト(17.37キロバイト)、784行ありました
    3. スキップ設定

      翻訳ファイルをざっと確認し、文言と単語を必要に合わせてスキップ設定してください。
      不要でなら空欄で結構です。

      今回は読み込みモード例で「Facebook」「Twitter」「Google Plus」をスキップしてみましょう。

      スキップ設定
      「この単語が含まれるとスキップ」は、その単語が含まれる文章全てがスキップされます
  3. 翻訳開始

    翻訳中の画面

    「翻訳開始」ボタンをクリックすると翻訳が始まります。

    翻訳には時間が掛かります。
    翻訳中は、このアプリケーションの運用資金をサポートして頂けるスポンサーの広告が流れます。
    皆さんが無料でお使いいただけるよう、気になる広告があれば、是非リンク先をご覧になってください。

    広告が流れている間、進捗は画面下に表示されています。

    ちなみに、今回の"Attitude"テーマで翻訳数は174個、時間はご使用のPCのスペックやサイトの混雑状況にもよりますが、4~8分ほどです。

    時間帯や混雑具合によって、作業時間は大きく異なります。

  4. 翻訳完了

    翻訳完了画面

    翻訳が終了すると広告のレイヤーが消えて結果が表示されます。

    1. コピペモードの翻訳の保存

      翻訳が終わると「クリップボードにコピー」ボタンが現れます。
      コピーしましたら、翻訳元ファイルにペーストしてください。
      コピーした時に、選択状態のままにしてあれば、そのファイル上でペーストするだけで翻訳部分が上書きされます。
      「ソースをクリア」ボタンでソースを消し、残りの翻訳を繰り返します。

      ファイルを保存する際、文字コードが「UTF-8N」になっている事を確認してください。

      「クリップボードにコピー」ボタン
    2. 最終調整

      翻訳ファイルが完成しましたら、"Poedit"でファイルを開いて微妙な翻訳を調整してください。
      機械翻訳の都合上エラーが出る事があります。
      下図のコピペモード例の"RegistrationMagic"ですと、翻訳量が多いのに比例して、かなりエラーが多いですね。

      今回の場合、ほとんどがリンクのエラーでした。
      例えば「To unlock removing Username field (and many more features), please upgrade <a href="%s" target="blank">Click here</a>」という翻訳元。
      これが、機械翻訳後は「ユーザー名フィールド(およびその他の多くの機能)の削除のロックを解除するには、アップグレード<a href="%s" target="blank">して</a>ください<a href="%s" target="blank">ここをクリックしてください</a>」となりました。
      あきらかに<a>タグがおかしいので、「して」のみ囲まれている<a>タグを削除します。

      読み込みモードをPoeditで修正

      その他のエラーも修正します。
      エラーの例・対処法は、右の読み込みモードの最終調整を参照ください。

    1. 読み込みモードの翻訳の保存

      翻訳が終わると「ダウンロード」ボタンが現れます。
      クリックでファイルをダウンロードできます。
      ファイル名には、元のファイルを上書きしないように「dl-」の文字がファイル名に追記されています。

      このファイルを、ローカルの作業フォルダに保存してください。

      一般的でないファイル形式のため、ブラウザによってはダウンロードの警告が出ます。
      ただのテキストファイルですので保存しても問題ございません。

      「ダウンロード」ボタン
    2. 最終調整

      翻訳ファイルを保存したら、"Poedit"でファイルを開いて微妙な翻訳を調整してください。
      機械翻訳の都合上エラーが出る事があります。
      下図の読み込みモード例の"Attitude"ですと、データが表示される「%2$s」などにスペースが入ってしまい、エラーとなっております。
      黄色アイコンの警告は、そのままでも表示しますが、気になる場合は修正してください。
      全ての調整が終わりましたら、そのまま保存します。
      この時、MOファイルも上書きされます。

      コピペモードをPoeditで修正
  5. アップロード

    アップロード

    翻訳ファイルをアップロードしますが、まずは、完成した翻訳ファイルをリネームします。
    読み込みモード例の"attitude"でしたらダウンロードしたファイル名に「-ja」を付け、「attitude-ja.po」「attitude-ja.mo」とします。

    同様に"RegistrationMagic"だと「custom-registration-form-builder-with-submission-manager-ja.po(MOファイルは拡張子「.mo」)」になります。

    アップロードする時は、さきほどダウンロードしたフォルダとは別の場所です。

    翻訳したファイルは「WPインストールフォルダ/wp-content/languages/」内の、プラグインなら「plugins」フォルダ、テーマなら「themes」フォルダにアップロードします。

  6. 確認

    読み込みモード確認 読み込みモード修正

    翻訳されているか確認してみましょう。
    右のスクショが読み込みモードで翻訳したテーマ"Attitude"の管理画面で、左が翻訳前で右が翻訳後の比較です。

    ちゃんと翻訳されているようですが「態度のサポート」というのがちょっとおかしいですね。
    テーマ名が翻訳されてしまったようです。
    機械翻訳ですと、このような事が多々あります。
    再度修正して、再びアップロードしましょう。
    一部、翻訳前から日本語の部分がありますが、どのテーマでも共通の部分は、Wordpressでデフォルトの翻訳が用意されています。

    スキップ設定した箇所を確認するために「ソーシャルリンク」を見てみます。
    翻訳でスキップ設定した箇所が、英語のままになっている事が確認できます。


    "RegistrationMagic"の方も確認してみましょう。
    下のスクショが"RegistrationMagic"の翻訳前後の比較です。
    概ね良いようですが、ちょこちょこ気になる個所はあります。
    プラグインの場合、サイト画面に出力される文言もあります。
    管理画面なら自分だけが分かればいいですが、サイトに表示される箇所はそうもいきません。
    そういった所を見つけたら修正するようにしてください。

    コピペモード確認 コピペモード修正

    以上で翻訳作業は終了です。お疲れさまでした。

    特にプラグインだと翻訳の数も多く、一度で全て確認できるとは思えません。
    使っているうちに、おかしな翻訳を見つける事が多いと思います。
    そんな時も、慌てずに"Poedit"で修正してください。

    時間も掛かりますし、「1クリックで簡単に」とはいきませんが、Wordpressで使っているテーマやプラグインで、日本語設定が無くてお困りの方が少しでも助けになれば幸いです。

    なお、機械翻訳の仕様は何ともなりませんが、このサイトで翻訳が出来ない等のエラーがございましたら、ご報告いただけるとありがたいです。
    ご意見もお待ちしております。